熱帯 フ ェ ノ ロ ジ ー 研究: 低地 フ タ バ ガ キ 林の 一 斉開花現象が示 唆する こ と

1．マ レ ーシ ア ・サ ラ ワ ク 州 ラ ン ビ ル 国立 公 園で の 研究で 得 られた 新し い 知 見をふ ま 之，東南 ア ジ ア 熱帯の 低地フ タ バ ガ キ 林 に 固有 の 一斉 開花 現象に つ い て概説 した ．
2．一斉開花時 に は， 開花個体の 密度が急激に 増加するが，その 際に 送粉者が どの よ うな メ カ ；一ズ ム で供給さ れる の か は ，一斉 開花 を め ぐる重要な 問題 で ある．オ オ ミ
ツ パ チ は森林の 外か らの 移住，フ タバ ガ キ科を 送粉す る甲虫 は 利用資源 を シ フ トす る こ とに よ っ て一斉開花に応答 し，一斉開花時の 重要な送粉者 となっ て い る，
3．ジ ェネ ラ リス ト捕食者の 飽和が 一．fi開花の 進化的要因だ と考え られて ぎた が，捕食者飽和で は 説明で きない点が ある．開花 ト リガ ーとな りうる環境変数が少な い ことに 加 え，種 間 の 同調 した 開花 が送 粉者 の 活動 を活 発化し送粉を促進 し て い る， とい う送粉促進 仮説 を提 出 した ．
4．一斉開花に 伴 う花資源の 急激 な増加 は ，そ れ らを利用す る動物 に大きな 影響を与 えて い る．さらに，一斉開花は時間軸上で の 環境の 多様性 を増すこ とに よ っ て ， 多様な種 の 共存に 寄与 して い る可能性 があ る．しか し， 哺乳類な ど寿命の 長 い 動物へ の 影響は よ くわ か っ て い ない ．
5．一連の 一斉開花現象に 関する研究 は ，熱帯林に お ける フ ェ ノ エ P ジ ー研究に い くつ か の 示唆 を与 える，まず ，一斉開花の よ うに 数年周 期で 起 こ る現象 を対 象 とす る た
め に ， 一年周期を仮定せ ずに フ ＝ノ ロ ジ ーを記載す る方法論 ，長期間の モ ニ タ リン グ が必要 で あ る，また ，フ ェノ ロ ジ ーの 生態的，進化 的 な意 味を考 え るた め に は ，フェ ノ 卩 ジ ーの 情報だ けで は な く， 様々 な生物的， 非生物的な 情報が不 可欠 で ある．調査 地間 の 比較 は ， 実験 的 アプ ロ ーチ が 難 しい こ との 多い フ r ．ノ 卩 ジ ーの 研究 で は 重要で あろ う．今まで は調査方 法の 違 い か らあま り比較が行わ れ て こ なか っ た が， 比較で きる よ うな方法論 の 確立と ネ ッ ト ワ ーク 作 りが始 ま っ て い る．

General flowering (GF) is a phenomenon unique to lowland dipterocarp forests in Southeast Asia. During GF, which occurs at irregular intervals of 3-10 years, most dipterocarp species, together with species of other families, come heavily into flower sequentially for several months with high intraspecific synchronization. A series of studies conducted in Lambir Hills National Park, Sarawak, Malaysia, by the Canopy Biology Program in Sarawak (CBPS) have described the phenomenon and plant-animal interactions of GF in detail. They showed that fluctuations of available flower and fruit resources caused by GF had great effects on animals, and possibly contribute maintenance of species diversity in the forests. In the light of these findings, it was suggested that predator satiation proposed by JANZEN (1974) alone could not explain GF, and that two other factors-promotion of pollination and paucity of climatic cues suitable for flowering trigger-might be involved. GF also has some implications for phenological studies in tropical forests. The supra-annual seasonality of GF indicates that the complicated nature of phenology in tropical forests requires suitable methods of description. One of the most useful indices may be the flowering frequency of an individual plant. In addition, integrative studies at a particular field site and comparison of phenology and other biotic and abiotic factors among tropical forests are essential. Although phenology comparisons among different forests are often difficult due to differences in methodology, are now underway to integrate different phenological studies.